魚の寄生虫ウオノエとは?

皆さんはこのような寄生虫の付いた魚を見たことがありますか?このような寄生虫をまとめて「ウオノエ」と呼びます。昔の人は、魚の口の中でこの寄生虫を見つけたので、「魚の餌」だと思ってこの名前を付けたのでしょう。しかし、実際にはこれらの寄生虫は口だけでなく、エラや体表、お腹の中にも寄生します。マダイの口の中やサヨリのエラにいることが多いですね。

このような、ダンゴムシやワラジムシに似た見た目の寄生虫です。一時期話題になった、ダイオウグソクムシにも見ているかもしれませんね。

釣りをしない人にとっても、この寄生虫は関係のない存在ではありません。スーパーで売っている鮮魚にも、この寄生虫が寄生していることがあります。パッケージの中にダンゴムシのような寄生虫がいるのは衝撃的です。今回は、このウオノエという寄生虫について詳しく紹介していきたいと思います。

ウオノエの体

ウオノエはダンゴムシやワラジムシに似た形をしています。大きく、1節の頭、7節の胸部、6節の腹部、1節の尾節から構成されています(6つ目の腹節と尾節は融合していて複尾節と呼ばれます)。

寄生できる魚

ウオノエだけでなく、すべての寄生虫には「宿主特異性」という特性を持っています。寄生虫が寄生する生物のことを「宿主」と呼びますが、ある寄生虫が寄生できる宿主は決まっています。寄生できる種の数は寄生虫によって違いますが、どんな生き物にも寄生できる寄生虫は存在しません。

ウオノエの場合も、寄生虫によって寄生できる魚類が決まっています。寄生できる魚類はウオノエの種類によって違い、1魚種にしか寄生できない寄生虫もいれば、17魚種に寄生できる寄生虫もいます。

寄生場所は4種類

このウオノエという寄生虫は、魚の大きさに対して非常に大きな寄生虫で、寄生する魚の場所は4種類あります。寄生部位は魚のエラ、口の中、体表、腹腔(お腹の中)です。

エラに寄生するタイプとしては、サヨリに寄生するサヨリヤドリムシが代表的です。エラに寄生するので、成熟したメスの体の形は、魚のエラの形に合わせて左右のどちらかに曲がっていることが多いです。魚の左右のエラの片方にメス、もう片方にオスが寄生していることが多いです。

口の中に寄生するタイプとしては、マダイに寄生するタイノエが有名です。タイの口の中をのぞくと、オス・メスの2匹が上側の天井に寄生しています。場合によっては、魚の口がほとんどふさがるほどの大きさに成長していることがあります。

体表に寄生するタイプとしては、ウオノコバンが有名です。この体表に寄生するウオノエは全体的に寄生できる魚種が多いと言われています。例えば、ウオノコバンは17種の日本産魚類に寄生できます。

最後に、腹腔に寄生するタイプですが、これは非常に珍しいタイプです。体表から腹腔に向かって魚の組織を袋状に押し広げて、その中で暮らします。

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